ふみりん通信Vol.04【2022年3月】

こちらの記事は「ふみりん通信」vol.4のWeb版です。

志村 唯夫

  • 第5代目文京区倫理法人会会長(2002~2004年)
  • 文京区倫理法人会相談役(~2022年現在)

株式会社リードコンサルティング代表取締役

大学卒業後、大手住宅メーカーに入社、在職13年。その後、外資系生命保険会社へ転職、在職8年。2007年に株式会社リードコンサルティングを設立し、2022年現在15期目。相続対策・不動産活用・事業継承のワンストップ事業を展開し、顧客の立場に立った資産活用・相続コンサルティングを行っている。

2001年に入会、倫理歴は21年。2002年から文京区倫理法人会会長を3期務め、2005年には文京区倫理法人会相談役および九段(現・紀尾井町)倫理法人会会長、2006年には九段倫理法人会相談役を経て、現在は文京区倫理法人会相談役。

――会長職の打診が来た時、まだ経営者ではなかった志村さん。当時は個人事業主で会長になった例はほとんどなく、41歳という若さも異例だった。錚々たる経営者たちがいる中で会長のお役を受けることに相当悩んだという。しかし、やると決めた以上は徹底してやると誓った。こうして文京区の会長を3年、さらに九段の会長を1年歴任。任期中にはイベントにも注力し、100人規模のイブニングセミナーを6回、最大で300人規模のイブニングセミナーを実現した。

当時は実践部(=家庭倫理の会)との交流も活発で、行政の区長、区議、都議とのコラボもありましたね。イベントも大変だったんですけど、やっぱり自分の経験・知識になる。当時は、瀧住さん(現・東京都倫理法人会相談役)と二人三脚で、でかいイベントをバンバンやったんですよ。そのときに瀧住さんから教わったのは「仕組みづくり」でした。

――イベントをやるからには成功させるのが大事だという志村さん。目的を明確にし、関わる会員さんの立場に立った仕組みを提案。加えて、企業訪問を自ら積極的におこない、連日の地道な努力で関係を築き上げていった。その提案力と実行力で、2003年に文京区の会場で開催された東京都の一大イベントだった「野村克也氏の講演」も成功に導いた。

まず(イベントには)テーマがあるはずなんですよ。普及活動なのか、モーニングに来られない方のためにイブニングを開催とか資金調達とか。目的を明確にする。そして、年中セミナーばっかりやってると疲弊するし、やった割にあまり効果がないと皆さんもメンタル的につらくなる。だったら年に1~2回バンっとやって最大の効果を出す。毎回赤字だ、効果が出ないだとなったら意味がないんです。

当時(野村氏講演会で)1,200人集めるときには、チケットの価格設定から議論になった。この時にはリスクヘッジを考慮しました。例えば(A)2,000円×1,200人=240万と(B)3,000円×800人=240万は売上が同じ。もし仮に1,200人集められなかったとしても、(B)単価3,000円ならば800人集めれば(A)と同じ結果ですし、(B)の条件で1,200人呼べれば、売上は1.5倍となる相乗効果も期待できます。

あとは地域によって集客がしにくいので、開催中心エリアの文京区が販売目標を多く持つことで、遠いエリアの負担を減らし、反発が出ないように工夫しました。結果は(B)の条件で1,200人集まった。すべて会社経営と一緒です。倫理法人会の運営ってまさしく事業のシミュレーションをさせてもらえる場ですよね。

――文京区、九段の会長を歴任した後、翌々年に起業された志村さん。ところが、思い描いていたものとは異なる厳しい状況のなか、奥様と二人でのスタートとなった。志村さんの「本業を大事に」という想いの原点はここにある。

あの当時は仕事の調子もよくなってきて、今考えると「過信」があった。それで先物取引に手を出して…もう仕事どころじゃなくなってしまうんですね。結局、集中できなくなって(保険会社の)仕事はボロボロ…。

留まることもリスク、起業するにもリスク。もうどっちにも行けない。そんな状況で起業を決意したんです。まずはネットショップから始めて。もうね…無我夢中でしたよ。始めは生活も厳しい状況でしたけど、ただそれをしたことによって専門的な小売業のノウハウを知りました。

僕は企業のコンサルや顧問を何年もしているところもあるので、その経験が役立った。他には今は母が介護で、ケアマネや地域包括支援センターとか病院と対峙しなければいけないんですが、ご相談を受ける場合にこういう実際に自分が体験したものがノウハウになるんです。僕自身が体感しているから、先方の苦労も分かるわけですよ。気持ちを理解したうえで提案ができる。目の前の方に100%でお話をすると、もしそこで成約にならなくてもその方から紹介をいただいたりしますね。

――倫理やご自身の経験をすべて経営に活かしている志村さん。倫理法人会の魅力のひとつは、偉大な経営者とつながりを持ち、自分を高めていくことができる点だという。

僕自身は、愚直に努力を重ねて「運のいい経営者と巡り合う」と決めました。運のいい人の周りには、やっぱり運のいい人たちが集まる。そして「一歩でも近づきたい」という想いで少しでも多く接して、同化していこうと。先日、瀧住さんにお会いしましたけど、一歩でも近づきたいと思ったのが、全然一歩も近づいてないな…と(笑)でも、だから余計にやる気も出る。それでも20年の間で多少なりとも縮まっていく。

先日は僕の会社や仕組みの話をしたら、瀧住さんも同じようにご自身の会社の話をしてくれました。初めは話を聴くのが精一杯だったのが、こうやって関わりながら成長していける。

モーニングセミナーでのお辞儀や所作、準備・片付けなども、僕自身の性格ではなくて、すべて先輩方に教え込まれたんですよ。これからも偉大な経営者の方々に近づけるよう愚直に精進してまいります!

――倫理を通じて出会った偉大な経営者の方々の教えは、志村さんの人生観や経営観に生きている。その教えを体現し続けている志村さんの姿から、私たちもたくさん学んで自己革新をしていきましょう!

\歴代の文京区会長に調査/
“志村さん”を一言で表すとしたら、どんな人ですか?

  • 「ものすごい勉強家。そこまでするか!というくらい学ぶ姿勢がすごい。さらに愛妻家!」(瀧住寿彦東京都相談役/文京区3代目会長)

  • 「経営にしても書道や他の何に対しても積極的に学ぶ姿勢がある人」(山縣清志相談役/8代目会長)

  • 「神仏とつながっていてブレない人」(島田実東京都キャリア委員長/9代目会長)

  • 「定規よりも真っ直ぐな人」(馬屋原康平相談役/10代目会長)

  • 「真摯で愛ある求道者」(寺石ゆか東京都キャリア副委員長/11代目会長)

  • 「オシャレ&ストイック&脱サラ組成功者の鏡な人」(宮田剛志現会長/12代目会長)

 

 


\その時現場では・・・!?/
ZOOM配信の裏側

▶INTRODUCTION

コロナ禍の影響によりモーニングセミナー(以下「MS」)の会場参加が難しい会員さんのために、文京区では2020年6月から約18カ月に渡ってMSのZOOM配信を続けた。「画面や音声がキレイ」「安定している」「ハイクオリティ」と、当会会員のみならず他会・ゲスト様からも絶賛されたZOOM配信の裏側について、「ふみりんITチーム」を代表して豊川正巳幹事(以下「豊川」と表記)⼩林有⼦専任幹事(以下「⼩林」と表記)に聞きました!

01:ZOOM配信をしてよかったことはなんですか?

◆場所という概念がなくなることで参加できるエリアが大幅に広がった。参加したいのにできない人にも届けられるのが魅力ですね(豊川)

◆リアルはリアルで良いところがあるけど、⾏くか・⾏かないかの⼆択ではなく、会員さんの選択肢を増やせたのがよかったです(⼩林)

02:どのような工夫をされていましたか?

◆距離は離れていても会場参加者と一緒に、しかも最前列にいるような臨場感を持って参加してもらいたいという想いでやっていた。具体的には、歌の時と輪読の時と講話の時とではマイクを変えて、音を丁寧に拾うようにした。他には、講師が何を伝えたいのか?を⾒極めて、必要に応じてホワイトボードを映したり、声の大きさに合わせて⾳量を調整したり、動きが多い講師はカメラで追跡したり…細かい調整に最大限配慮して⾒やすさを追求しました(豊川)

03:ZOOM配信を経て“いま”伝えたいことは?

◆ZOOMでつながりを保ったことで大幅に会員が減ることはなかった。栞に書いてあるように「純情(すなお)に実践する」ことがMSにはたくさん散りばめられていると思う。ZOOM配信での気づきをリアルのMSで実践すればもっと有意義になると思います(豊川)

◆ZOOMをきっかけにリアルの有難さにも気づいてほしい。「いい話を聴いた」だけでは変わらない。リアルで参加して実践するからこそ得られるものも多いんです(⼩林)

宮 下しのぶ事務長・秋元慎介副事務長・細淵さやか副事務長・五十嵐悠太幹事・大西早百合幹事・瀬川千香子幹事・高橋美智敏幹事・小鮒卓哉会員・武内美里会員

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